時と時空の思い09.






何だか顔が熱ってる気がする。

今ごろかごめちゃんの事を思い出した。
忘れてたなんて!何て薄情なの自分。

ついたらまずかごめちゃんの事を話して、次ぎに自分
の事を話そう。



暫く走っていると村のが見えてきた。



あと少しだ。息切れも気にしないで一気に楓おばあち
ゃんの家へ向かって駆け込んで行く。



「おばあちゃん!」

段差の部分に滑るように腰掛けた。




「なんじゃ、何処へ行っていた?」


驚いている。
でももっと驚かせてしまいそうな事を今から言うのだ。


「今2人で井戸を見に行こうと、そしたらかごめちや
んが山賊に!!たぶん犬夜叉が行ったと思う」



「なんと!しかし・・・犬夜叉が居れば大丈夫じゃろ
う」

ほっとしたように楓おばあちゃんが肩を降ろした。


「あと、私殺生丸って人に会った」




名乗られてないけど。






「・・・・付いて行くのじゃな」


「うん」


楓おばあちゃんは何か知っているのかもしれない。
まるで分かっていた様だ。


「大丈夫、かごめ達の事はまかせておけ」




「ありがとう」


楓おばあちゃんに何か包みを差し出される。
包みの中には何か入っているようでずっしりと重い。

「いつでも、此処に来て良いんじゃぞ?」


「うん。ありがとう」




急ぐと言ったのだ。
もう行こう。
ポケットに包みを突っ込むと、慌てて立ち上がる。


「又来るよ楓おばあちゃん」


私は大きく手をふって家から駆け出した。

殺生丸様の元へと。





                     txt_44_back.gif  txt_44_top.gif  txt_44_next.gif