時と時空の思い06






封印の解けた犬夜叉は、あっという間に百足女郎を倒
してしまった。


「かごめちゃん。あの肉片光ってるよ」

「あっ本当だわっ!光ってる」


かごめちゃんは、慌てて肉片に駆け寄って行くと、肉
片から玉を取り出した。



取り出された四魂の玉は、かごめちゃんの手の上で怪
しく光っている。



「四魂の玉って・・・つまり妖怪が強くなるため
の・・・?」


そうつぶやくかごめちゃんに犬夜叉は・・・。



「そうさ!人間が持っていてもしょうがねぇ物だっ。
俺の爪の餌食になりたくなかったら大人しく四魂の玉
わたしなっ」



ゴキゴキと爪を鳴らしながら近づいて行く。



「だめっ!かごめちゃん、わたしちゃだめっ!」



私がそう言って犬夜叉を睨みつけると、犬夜叉は顔を
顰めた。




「やっぱり!の奴まで連れて、余計に桔梗じゃねー
かよ。手加減なんてしねー。特に、気に入らねー匂いの女にはな!」




そう宣言した犬夜叉は、凄いスピードでかごめちゃん
に飛び掛かった。

「私だってじゃないわ!」


聞いているのかいないのか、犬夜叉の爪は、今さっき
までかごめちゃんが居た場所の地面を盛大に削り取っ
た。


「けっ。次は当てるぜっ」


「あんた!今本気でやったわね!」

かごめちゃんがキレた。




興奮気味の二人を尻目に、私の隣の楓おばあちゃんは

呆れた様に例の念珠を取り出した。



冷静な楓おばあちゃんは、今にも四魂の玉に飛び掛か
りそうな犬夜叉に向かって、輪投げの様にソレを投げ
る。


すると、ソレはスッポリと犬夜叉の首にかかった。



「かごめ、珠鎮めの言葉を」


「えっ・・・・?」


そんなやり取りに、かごめちゃんが戸惑っている間に
も、犬夜叉の攻撃はかごめちゃんを追い詰めていく。




「何でもいいからかごめちゃん!」




私は知っていても慌てて叫ん。






「えっえっと・・・・・・・・。おっおすわりーーーーーーーーーーーーーー」





すみません。




思わず私は吹き出してしまった。




ごめん犬夜叉。





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