時と時空の思い03






「匂うぜ・・・。俺を殺した女の匂い・・・近づいて来る」



「助かるんでしょーね私達!」



「もちろん。絶対に!!!」



独り言と分かってはいてもついつい答えてしまう。
それにしても、かごめちゃん足・・・速い・・・。

もう汗はダクダクだし、小石にも躓きそうだ。

やっぱり、日ごろの運動は必要なのだとこんな所で
改めて実感してしまう・・・。



もう、私のばかばかばか!何で一緒について来ちゃったのぉぉ。



後ろからは妖怪が、かごめちゃんをもの凄い形相で追
って来ている。

そこまでして欲しいのですか?

お顔がヤバイデスヨ?





心の中で、ブツブツと文句を言ってはいたが、物凄く
一生懸命犬夜叉の森へと急いで走っていく、気を抜い
てしまっては、すぐに追いつかれてしまう。


そしてなにより


小さかろうが大きかろうが虫嫌いにとって虫は虫!



そんな事考えている間に、相手もイライラとしてクネクネしている。



「しこんのたまよ〜こ〜せ〜」



「そんな物持ってないってのに・・・」



不思議そうにかごめちゃんは私に言ってくるけど、
はっきり「そうだね。」とは言えない。




確かに持ってないけど・・・。持ってるしなぁ。

知っていても渡せないし。



やっぱり今はまだ一心同体なのだろうか。

ついついかごめちゃんに気を取られていると、
「きゃっ!」


「キャーーーーーーーーーーーーーーー」


頭の上30cm上を・・・・・・。イ゛ーヤ゛ーダー。



なんで?わざと!!!?




その時だった。

あの声が聞こえてきたのは。



「百足女郎みていなヤツ雑魚相手に何やってんだ?」

「えっ?・・・・」


思ったとおり、犬夜叉が上から見下ろしていた。

ついでに、かごめちゃんと犬夜叉の二人はすでに2人の
世界。(・・・ちょっと違うかな?)



「あんたは・・・?」


かごめちゃんはポカーンとした顔で、犬夜叉を見上げ
てたずねるが、犬夜叉は凄みのある顔で睨みをきかせ
て。

「一発で片付けろよ、桔梗。オレを殺った時みてぃに
よ!」

「桔梗って!何言ってんのよ、あたしの名前
は・・・・・・」


あぁ、犬夜叉。

かごめちゃん怒らせちゃったよ・・・。

まあ、確かに似てるし仕方ないと言えばソコまで。

生まれ変わりだし。

でも、違う人に間違われてキレられてもねぇ。

「来るぜっ」

「えっ?・・・・。きゃぁ!!」

キター。

えっ?私が今どこに居るかって?

ご神木の裏側ですよ!


ドスッ!    ドスドスッ


「よっよし。引っ張れ!」


楓おばあちゃんに村人達だっ!!!!


私はご神木のうらで座り込んだ。


「たっ助かった・・・」


本当に。



かごめちゃんの一言が真実味をもった。







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