時と時空の思い14
犬夜叉がかごめちゃんと犬夜叉の母を助けようと飛び出
すと、蓮の花の様な物から光が放たれ、グイっと其処に
向かって犬夜叉達が吸い込まれていった。
・・・・・・
って!!私置いて行かれた!?
そう思ったのも束の間。
その光は私の乗った牛車もまきこんで、一層強い光を放
った。
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「・・・・・・っう、目がチカチカする」
光による物か、強く目を瞑った為か、目がシバシバとし
ている。
視界は悪く、牛車の壁に手を添えて覗いた外の様子など
全く分からない。
「・・・・・・ちくしょう!」
ん?この声聞き覚えが・・・。
「犬夜叉よ、墓のありかがわかったぞ」
ぉぉぉぉおおお!殺生丸様!!
どうやら、話は結構進んでしまっているらしい。
声の方を良く見ようと身を乗り出す。
ギャッぁ!!
牛車から身を乗り出しすぎた様だ。
カクンと足元が無くなり、慌てて牛車から出ている紐に
縋り付くが、踏み止めようとした足が盛大な音を発てて
しまう。
「あちゃぁ・・・・・・」
しかし、私の心配も空しく誰もこっちを見ていない。
殺生丸様は気が付いて少し目を向けてきたが、直ぐに
目を逸らされた。
悲しい!!いや寂しいです!!
状況が状況なので仕方ないですがね。
自嘲気味に溜め息を吐くと、邪見がこっちを見て鼻で笑
うのが見えた・・・。
くっ悔しいぃぃぃ!!
そんな私などお構い無しに話は進行していく。
「ならばこの兄とともに・・・」
「父上の墓参りでもしてみるかっ!?」
はっとして顔を上げたときには既に、殺生丸様の手の中
に収まっていた。殺生丸様と犬夜叉の父上のお墓の入り
口である黒真珠。
不適な笑みで犬夜叉達へと探し当てた事を話す殺生丸様
は突然視線を私へと移す。
其処へ怒った犬夜叉が突っ込んでいくが、軽々と避け、
逆に殺生丸様に攻撃を返され、それを庇うように無女が
飛び出し、犬夜叉達の前に崩れ落ちる。
此処まで声が聞こえないが、漫画でも知っている。
「くだらない」
そう呟いたのだろうか?
殺生丸様は無女を・・・・・・。
「駄目っ!!」
ああまたやっちゃった。
いっせいに視線を集め、殺生丸様の視線がかなり痛い。
「」
みんなの声が重なり、かごめちゃんと犬夜叉の目が大き
く見開かれた。
取り合えず目で殺生丸様に謝っておこう。
次ぎに心配かけていたであろうかごめちゃんに目を向ける。
「え〜っと・・・久しぶり?」
苦笑いで手を振ってみた。
